着物にうそはつけない
着物を着るという行為には、
着る人の心や体の状態が反映されてしまう。
腹や腰が座り、
体の芯がスッと通っており、
柔らかくしなやかな身体であれば、
着物は自然と馴染むようである。
しかし、
気持ちがフラフラしていると、
腹も腰も落ち着かず、どうにも上手く着られない。
何度も着なおして、帯を締めなおして、でもしっくりこなくて…。
仕方なくそのまま出かけて、何度も着姿を気にして、あちこち引っ張って直すのである。
がっくりしつつも、
着物は自分の鏡のようで面白いと感じ、また着物を好きになる。
短い時間でも、毎日着るということに意味がある。