着物生活のはじまり
ごく平凡な会社員(二児の母)の私が、
一年前から着物のある暮らしを始めた。
子どもの頃から着物は好きだった。
母にお正月の着物を着せてもらうのが楽しみだったし、
大人になってからは三砂ちづるさんの本を読んで以来、
着物のあるくらしにずっと憧れていた。
『 いつか、着物を着てくらしてみたい』
そういう思いがずっと胸の内にあった。
けれど、「いつか」と思っているうちは、その日は永遠にやってこないもの。
着付けを習わないと着られない
子どもが幼いうちは着られない
着物のルールを知らないと着られない
着ない言い訳ばっかり作ってることに気付いた。
だから、「いつか」ではなく「今」はじめることにした。
おさがりの着物を引っ張り出し、季節や何やら無視して、とにかく着た。
浴衣を着るくらいの知識しかなかったけど、着た。
お出かけ着ではない、日常の着物。
家の中で着るのだから、誰にも咎められずに、縛られずに、自由に着ていい。
シワがよっていたって、裾が曲がってたっていい。
少しぐちゃっとしているくらいが自然でよい。
他の誰のためでもない、自分のために着る、自分のからだに寄り添う着物。
ハレの日ではないケの日の着物。
ご飯とお味噌汁みたいな、毎日のご飯のようなあったかい着物。
そういう着物を体験したくて、着始めた。
平日は仕事から帰ったら着物に着替えて家事をして、
休日は走り回る必要がなければ1日着物で過ごすというスタイル。
着物はわたしの日常の一部になった。
着物がますます好きになった。
もっとたくさんの人に、着物のよさを知ってほしい。
そう思って、着物のことをブログに綴ることにした。
実家のタンスの奥に眠ってる着物や
一年に数回着るか着ないかの浴衣。
命を吹き込むのは、あなた次第。
写真は、着始めたばかりの頃のもの。
おばあちゃんの着物(サマーウール?)に兵児帯(草木染めした晒し)